愛犬の口臭が気になり、改善したいと感じている飼い主の方も多いのではないでしょうか。
犬の口が「魚のような匂い」や「不快な匂い」、さらには「強い臭い」がする場合、口腔内のトラブルや食べ物が原因になっていることがあります。
口臭は歯周病や内臓の不調によって引き起こされる場合もあるため、適切な対策を講じることが大切です。
本記事では、犬の口臭を改善するためのケア方法や、日常で取り入れやすい口臭対策用の薬やサプリメント、口臭の改善に役立つ食べ物を含めた対策について詳しく解説します。
飼い主として愛犬の健康を守るための参考にしてください。
ポイント
- 犬の口臭が強くなる原因とその種類
- 口臭を消すための薬やサプリメントの効果
- 口臭を改善する食べ物やケア方法
- 急な口臭への具体的な対策と予防方法
犬の口臭い改善のための基本ケアと予防法

- 急に犬の口から臭いがするのはなぜ?
- 歯磨きしても口が臭いのはなぜ?
急に犬の口から臭いがするのはなぜ?
犬の口から急に強い臭いがする場合、いくつかの健康上の理由が考えられます。
このような口臭が突然現れるのは、何らかの健康問題や口腔環境の悪化が関係していることが多いです。
まず確認すべき原因として、歯周病や口腔内の感染が挙げられます。
歯周病は歯垢や歯石がたまることで口腔内に細菌が増殖し、歯肉に炎症を引き起こしてしまいます。

この細菌がガスを発生させることで、不快な臭いが感じられることが一般的です。
また、胃腸の不調も急な口臭の原因になることがあります。
特に、胃炎や消化不良が起きている場合、胃酸が過剰に分泌されることがあります。
この胃酸が口腔内に逆流することで、独特の臭いが発生します。
急に吐き気や嘔吐が見られる場合も胃腸のトラブルが疑われるので、同時に症状がないか確認してみましょう。
次に考えられる原因として、内臓の不調が影響するケースがあります。
たとえば、腎臓や肝臓の機能が低下していると、体内で処理しきれない老廃物が増加し、これが特有の臭いとして口から発せられます。
特に腎臓の健康に問題があると、特有の臭いが感じられることがあり、これは深刻な症状の兆候です。
他にも、ペットフードの劣化や異物の摂取も急な口臭の原因になることがあります。
ペットフードが酸化しやすい環境にあったり、賞味期限が過ぎている場合、その劣化した成分が犬の胃腸内で臭いのもとになりやすいです。
また、何か異物を誤飲した場合、体内で消化できない成分が臭いを放つことがあります。
最後に、口腔乾燥も考慮すべきポイントです。特に夏の暑い時期に口呼吸が多くなると唾液の分泌が減り、口内が乾燥してしまいます。
唾液の量が少ないと、口内の食べカスや細菌が流されにくくなり、臭いの原因になる場合があります。

以上のように、急に口臭が強くなった場合は、歯や胃腸の健康、内臓の機能、またフードの管理に問題がないかを確認することが重要です。
気になる症状が続く場合は、獣医師に相談し、適切なケアを受けることをおすすめします。
歯磨きしても口が臭いのはなぜ?
はみがきが十分でない可能性があります。犬の口腔内は人間と比べて歯垢が石灰化しやすく、歯垢が歯石に変わるスピードが速いため、表面だけを磨いても不十分です。
歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」に歯垢や歯石が溜まっていると、表面を磨くだけでは臭いが残る場合があります

次に、歯周病が進行しているケースも考えられます。
歯周病は犬の口臭の主な原因のひとつであり、歯肉炎が進行することで歯茎が赤く腫れ、さらに進むと歯の根元まで炎症が広がります。
この状態になると、歯ブラシだけでは歯石や細菌を取り除くのが難しくなり、動物病院での歯石除去が必要な場合もあります。
また、内臓の問題が口臭の原因であることもあります。
たとえば、腎臓や肝臓の健康が影響して口臭が現れることがあります。
腎臓や肝臓の機能が低下すると、体外へ排出されるべき物質が血流に乗って体内に残り、その結果、特有の臭いが発生することがあります。
さらに、唾液の分泌不足も口臭の原因となります。唾液は食べカスや細菌を洗い流す役割があるため、唾液の量が減ると口内が乾燥し、細菌が増殖しやすくなります。

このような場合、こまめな水分補給や口腔の潤いを保つためのケアが有効です。
ドッグフードやおやつの影響も口臭に関連することが獣医の臨床研究で示されています。
特定の食材や成分が消化されにくい場合、それが胃腸でガスを発生させ、臭いの原因となることがあります。
特にウェットタイプのフードや脂質が多いおやつは、酸化しやすく口内で臭いが発生しやすい傾向にあります。
歯磨きしても口臭が改善されない場合は、これらの原因を考慮し、食生活やケア方法を見直すことが大切です。
また、歯磨きに加えてデンタルガムや歯石除去効果のあるフード、口腔スプレーなどのアイテムも併用することで、口腔環境を整えることが期待できます。
症状が改善しない場合は、獣医師に相談し、適切なケアを受けることをおすすめします。
犬の口臭い改善に役立つアイテムと具体的な対策

- 口臭対策アイテムやサプリメントはある?
- 口臭を消す食べ物での改善方法
- 口臭スプレーは手作りできる?
- 口臭用の薬やサプリメントはある?
- 唾液が臭いのはなぜ?改善方法
- うんちの臭いがする場合の原因と対策
- パピーの口が臭いのはなぜ?
口臭用の薬やサプリメントはある?

犬の口臭を消す方法として、薬やサプリメントの利用は効果的な選択肢のひとつです。
まず、口臭の主な原因となるのは細菌の繁殖であるため、細菌を抑える成分が含まれたデンタルサプリメントがよく利用されています。
これらのサプリメントは、一般的に善玉菌の増加を目指して開発されていますが、実際の効果については個々の犬の体質により異なる場合があります。使用前には獣医師に相談することが推奨されます。
また、サプリメントには乳酸菌やオリゴ糖などのプロバイオティクス成分が含まれている場合が多く、胃腸環境を整えて消化不良から来る口臭も緩和する効果が見込まれます。
薬やサプリメントの利用は効果的な選択肢のひとつですが、使用にあたっては獣医師のアドバイスを受け、愛犬に合った製品を選ぶことが重要です。
これらは飲み水に混ぜたり、口腔内に直接吹きかけたりするだけで簡単にケアできるので、口の中を触られるのが苦手な犬でも取り入れやすいです。
主に無味無臭のものが多く、飲み水に数滴入れるだけで細菌の増殖を抑えやすいため、日々のケアとして習慣化しやすいでしょう。

薬の選択肢としては、動物病院で処方される口臭ケアのための薬があります。
たとえば、炎症を抑えるための薬や歯肉の健康を保つ目的で処方されることもありますが、これらは主に症状が進行している場合に用いられるものであり、日常的な予防目的での使用には向いていません。
内臓の問題が口臭の原因であることもあります。腎臓疾患が口臭の原因である可能性については、獣医師も指摘しており、異臭が続く場合は早急な診察が推奨されます。
ただし、犬の体質によっては合わない成分が含まれていることもあるため、サプリメントや薬を使用する際には、かかりつけの獣医師に相談し、犬の体質に合ったものを選ぶようにしましょう。
獣医師の推奨を基にしたケアが重要です。
継続的に使用する場合は、定期的に口臭の状態を確認しながらケアを続けることで、より良い効果が期待できます。
口臭を消す食べ物での改善方法

犬の口臭を改善するために、食べ物にも工夫を加えることができます。
食生活は口腔内環境や消化に直接関わるため、適切な食材を取り入れることで口臭予防にもつながります。
まず、ドライタイプのドッグフードを選ぶと、口内で噛む際に歯垢が付着しにくくなり、歯の表面の清掃効果が期待できます。
また、ドライフードはウェットフードに比べて保存性が高く、酸化しにくいため、劣化した食べ物が原因となる口臭も抑えられるでしょう。
さらに、乳酸菌やビタミンCを含む食材も役立ちます。乳酸菌は腸内環境を整える作用があり、消化不良による口臭を和らげる効果が期待できます。
無糖のプレーンヨーグルトなど、犬にとって安全な乳酸菌食品を少量与えることで、胃腸環境の改善が見込めます。
また、ビタミンCを含む野菜や果物も良い選択肢です。ビタミンCには抗酸化作用があり、口内の環境を整える働きが期待されますが、酸味の強い果物(レモンやオレンジなど)は避け、少量で犬が摂取できる食材を選ぶようにしてください。

さらに、犬用の歯磨きガムやデンタルチューも効果的です。これらは噛むことで歯に付着した食べカスや歯垢を自然に除去できるため、口腔内の清潔を保ち、口臭予防に役立ちます。
ただし、噛む力が弱い犬や、硬いものが苦手な犬には無理のない範囲で与え、愛犬に適した硬さや成分の製品を選びましょう。
食べ物を通じたケアは、日常的な習慣として続けることで口臭改善の効果が現れやすくなりますが、愛犬の体質や好みに合った食材を取り入れることが大切です。
また、食事内容を変更する際には獣医師のアドバイスを受けながら、安全で効果的な方法を見つけていきましょう。
口臭スプレーは手作りできる?

犬の口臭対策として、手軽に使える口臭スプレーを手作りすることも可能です。
市販の口臭スプレーもありますが、手作りの場合は安全な素材を選べるため、安心して使用できるメリットがあります。
たとえば、飲み水に混ぜることができるような天然のハーブや無添加の成分を使うことで、犬に負担をかけずに口臭ケアができます。
手作り口臭スプレーの基本的な材料としては、ペパーミント水やハーブティー(カモミールやローズマリーなど)が適しています。
これらのハーブには、口腔内を清潔に保つ効果や消臭効果が期待され、自然な方法で口臭を軽減できます。また、蒸留水や純水をベースに使うと雑菌の繁殖を抑え、安心して使用できるでしょう。
作り方は、ハーブティーを濃いめに抽出して冷やし、スプレーボトルに入れるだけです。
ただし、手作りスプレーは保存がきかないため、1週間以内に使い切る量を作るようにしましょう。

油を使用する場合は、犬にとって有害なものが多いため、必ず犬に安全なものを選び、使用前には獣医師に相談することが重要です。
たとえば、ティーツリーやラベンダーの精油は、犬にとって毒性がある可能性があるため、使用を避けるようにしてください。
犬に有害な精油リスト
- ビター・アーモンド
- ペニーロイヤル
- ヒソップ
- バーチ
犬に有害な精油リスト
- アニス
- オレガノ
- ウィンターグリーン
- ウォームシード(グースフット)
- ガーリック
- カラマス(ショウブ)
- カンファー(クスノキ)
- カシア(センナ)
- クローブ(葉と蕾)
- サッサフラス
- サンタリナ
- ジュニパー
注:ジュニパーベリー(果実から抽出されたもの)は安全です - セイボリー
- タイム
レッド・ホワイトに注意 - タンジー
- テレビン
- ツジャ(ニオイヒバ)
- ホースラディッシュ
- ボルドー(セリ)
- マスタード
- ラベンダー・ストエカス
- ルー(ヘンルーダ)
- ワームウッド
スプレーを作る際は、必ず獣医師に相談し、犬に安全な材料を選んでください。犬に有害な成分を避けるため、リストの確認も徹底しましょう。
手作りの口臭スプレーを使用する際には、直接口腔内に吹きかけるのではなく、飼い主の指にスプレーをかけてから口元を拭くようにすると、犬も抵抗を感じにくくなります。
このような工夫により、手作りスプレーでもしっかりとした口臭ケアが可能になります。
息が臭いのはなぜ?原因をチェック

犬の息が臭い原因には、さまざまな健康上の理由が考えられます。
特に、歯周病や口腔内の細菌が原因となっているケースが多く、これらは口腔ケアを怠ると進行し、口臭が強まります。
歯周病になると歯茎が赤く腫れ、歯の隙間に歯垢が溜まりやすくなり、これが不快な臭いを発生させる原因となります。
また、口内の傷や感染症がある場合も息が臭くなることがあるため、口の中を定期的にチェックすることが大切です。
次に、消化器の不調も息の臭いに影響します。特に、胃酸過多や胃炎を患っている場合、胃から逆流した胃酸が口臭となり、独特の臭いがすることがあります。
胃腸が弱い犬の場合、消化の悪いフードやストレスで胃腸の調子が悪くなり、それが息の臭いにつながることがあります。
消化器官の問題が疑われる場合は、消化に優しいフードやサプリメントを取り入れることも効果的です。
また、内臓の健康状態も息の臭いに影響します。
腎臓や肝臓がうまく働かないと、体内の老廃物が蓄積し、それが特有の臭いとなって息に現れることがあります。
特に腎臓の健康に問題がある場合、血液中に不要な物質が溜まりやすくなり、独特の臭いが出ることが多いです。

このように、息が臭い場合は口内だけでなく、胃腸や内臓の健康も視野に入れて原因を調べる必要があります。
気になる症状が続く場合には、早めに獣医師に相談し、健康状態を確認してもらうことが大切です。
唾液が臭いのはなぜ?改善方法
犬の唾液が臭う場合、主な原因として考えられるのは口腔内の細菌や唾液の量です。
唾液には口内の細菌を洗い流す働きがありますが、唾液の分泌量が少ないと細菌が増えやすくなり、その結果として臭いが発生しやすくなります。
また、口内が乾燥している場合も唾液の臭いが強くなることがあります。特に夏場や運動後など、口を開けて呼吸することが多い犬は、唾液が乾燥しがちで、臭いが強まりやすいです。

歯周病や口腔内の感染も唾液の臭いに関わる重要な要素です。歯周病になると、歯茎や歯周ポケットに細菌が増殖し、それが唾液に混ざって臭いを引き起こす原因となります。
唾液に粘り気が増し、色が変わって見えるような場合は、歯周病の兆候である可能性があるため、早めのケアが必要です。
改善方法としては、こまめな水分補給やデンタルケアの徹底が効果的です。
新鮮な水をいつでも飲めるようにしておくことで、唾液の分泌を促し、口内の乾燥を防ぎます。

また、デンタルガムやデンタルシートで日常的に歯垢を取り除くと、細菌の増殖を抑え、唾液の臭いも軽減できます。
唾液の臭いが気になる場合は、定期的に歯磨きや口腔ケアを行い、健康な口内環境を保つことが大切です。
うんちの臭いがする場合の原因と対策
犬の口臭が便のような臭いになる場合、腸内環境の問題や腸閉塞の可能性が考えられます。
腸内で特定の細菌が増えると、食物が正常に消化されず、腸内に老廃物が溜まり、それが口臭として現れることがあります。

また、腸閉塞や腸捻転といった消化器官の健康問題がある場合も、同様の臭いがすることがあり、この状態は早急な対応が必要です。
便のような臭いが感じられる場合は、腸内環境を整える食事やサプリメントを取り入れることで改善が期待できます。

乳酸菌が含まれるプレーンヨーグルトや、消化をサポートするサプリメントを少量加えることで、腸内の環境を整え、口臭の軽減に役立ちます。
また、症状が改善しない場合は、消化器官の問題の可能性もあるため、早めに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
パピーの口が臭いのはなぜ?

パピー(子犬)の口が臭う原因には、歯の生え変わりや口内の細菌が関係していることが多いです。
生後3~6か月頃には、乳歯から永久歯へと歯が生え変わる時期があり、この期間に歯茎から出血したり、歯垢が溜まりやすくなるため、独特の臭いが発生しやすくなります。
また、パピーはまだ口腔ケアに慣れていないことが多いため、口内が不衛生になりがちで、細菌が増えやすい環境が整ってしまいます。
さらに、子犬は興味を示したものを口に入れてしまう習性があるため、異物の付着や食べカスが口の中に残り、それが原因で臭いが発生することも少なくありません。
好奇心旺盛なパピーは、外での散歩中に口に異物を入れてしまうことも多いため、注意が必要です。
このような場合の改善方法としては、定期的な歯磨きやデンタルシートでのケアが効果的です。
歯磨きに慣れさせるため、優しく歯や歯茎を触る練習を始め、徐々に口腔ケアを習慣化するとよいでしょう。
また、成長に伴い自然に臭いが軽減することもありますが、定期的にケアを行い、口内環境を清潔に保つことで、口臭の発生を予防できます。

まとめ
- 犬の口臭は歯周病や口腔内の細菌増殖が原因で発生しやすい
- 急な口臭は病気や消化器系の不調が隠れている可能性がある
- 歯磨きが不十分だと歯垢や歯石が溜まり、口臭が残る
- 内臓の機能低下で体内に毒素が蓄積し、口臭が強まることがある
- 唾液不足や口腔乾燥が原因で細菌が増殖し、臭いを生じやすい
- 食べカスや異物が口腔内に残ると臭いの原因になる
- ドライフードは歯垢がつきにくく、口臭予防に適している
- 歯周病が進行すると歯肉炎や歯周ポケットの炎症が起こる
- 乳酸菌やオリゴ糖を含むサプリメントが腸内環境を整える
- 水分補給やデンタルガムが口腔環境の改善に役立つ
- 腸内の悪玉菌増加がうんち臭の口臭につながることがある
- 胃酸過多や胃炎で酸っぱい臭いが口から出ることがある
- 内臓の疾患がある場合、アンモニア臭や便臭がすることがある
- 口臭ケアのサプリメントやスプレーはケアの補助に使える
- 手作りの口臭スプレーはハーブや蒸留水で安全に作れる